2023年03月18日

寒暖差が激しいです

この季節らしく、暖かくて桜も咲き始め、もう春かと思うと、今日の様に氷雨でガレージでストーブを使ったりしてます。

さて、メンバーズカードに同封しましたアンケートはがきが、ぽつらぽつらと送り返していただいております。お忙しい所ありがとうございます。
お手紙に記載させていただきました通り、ユーノスター・ホームページのお客様の声コーナーに掲載させていただいております。
まだポストに投函されていない方も、急ぎませんのでよろしければアンケートにご協力をお願いいたします。
やらせ無しの内容なので、ユーノスターにとっては少しネガティブの事も有りますが、ご意見を真摯に受け止めさせていただきたいと思い掲載させていただいております。
もし、掲載を止めていただきたいという方は、ご一報いただければ取り消します。

新たにユーノスター・メンバーご希望の方は、基本ユーノスターでメンテナンスを行った実績のある方に限定させていただいておりますが、ご連絡をいただければメンバーズ・カードを作成してお送りいたします。(特例の場合も有ります)
まだ届いていないという方もいらっしゃるかと思いますが、順次作成しておりますので、今しばらくお待ちください。

この所メンテナンス等の内容が無かったので、たまにはちょっと報告?します。
整備事例としてですが、まず、私の問診と現象の確認が失敗した内容です。
新規のお客様で、NA6CEのファンベルトを診て欲しいとメールをいただきましてご入庫しました。
初めてお会いしてお若い方でしたし、購入されて一年も経っていないので、どうしたものかと思いましたが、エンジンをかけての異音を確認しないで、ベルト周りとクランクプーリー等を確認して、錆と例のクランクプーリーのトーショナルダンパーがズレているのを確認したので、要交換と伝えました。その日は部品を取り寄せるので、後日部品が届いたら交換作業をしましょうという事で一旦お帰りいただきました。
これがやはり失敗だったのが後から判明しますが、部品が揃って作業を行う入庫予定を決めた後、その日を待たずに突然電話で、エンジンが止まってしまって始動しないと連絡が来ました。
既に他のお客様のご入庫でガレージはいっぱいでしたが、外の駐車スペースに保管する事でご了承いただいてレッカー屋さんが積載車にて入庫しました。
お客様には、他の作業との合間に故障探求する事をご了承いただいて、時間がかかる事を告げて有ります。エンジンが止まった時の状態は確認してあります。
故障探求ですが、基本点検もしないのがこれも失敗でしたが、まずバッテリーが弱っていてスターターが回らないので、ジャンピングしてクランキングしますが、もちろん始動しません。
この時点でアフターファイヤーしているのは確認出来ました。
まずは、ダイアグノーシス(自己診断装置)を確認しますが、何もフォルトコードは記憶していません。
クランクプーリーが滑っているはずなので、点火時期はあてになりませんが、不動の原因にはならないですね。
DSC_1728.jpg
後から分解した時の画像ですが、クランクプーリーが振れていたようで、タイミングベルトカバーが削れて凄い事になっています。
クランクシャフトのウッドラフキーが削れていてバルタイが狂っているのか?も確認します。

取り敢えず、次に点火しているのか?燃圧は有るのかを確認します。
DSC_1724.jpg
フューエルポンプが動いていても、燃圧が既定値に達していないとインジェクターから噴射しないですから。ちょっと低いですがプレッシャーレギュレーターは作動しているようです。点火火花も4気筒ともプラグの先端で確認して火は飛んでいます。
という事は、クランクアングルセンサーも正常でエンジンマネジメントシステムは異常無い?と判断します。クランクアングルセンサーが不良だったりすると、コンピューターが点火もフューエルポンプも動かない制御が働きますから。点火信号が出ても点火確認信号が戻ってこないと、フューエルポンプもONしません。

ここまでで、「良い点火」「良い混合(空燃比)」の三原則のうち二つはクリア異状無しと判断して、カムカバーを外してバルタイを目視で確認しました。
エンジン本体の圧縮はそこそこありそうと判断してます。(クランキングの音とクランキング・スピードで判断)

すると、ピストンは圧縮上死点に合わせてあるのに、インテークのカムシャフトが変な方向を向いています。エンジンがかからない主原因はこれでした。
DSC_1739.jpg

この時点で、エンジンの中が真っ黒でオイルメンテナンスが劣悪な状態な事に気が付き、オイルレベルゲージを抜いてみたら、なんとエンジンオイルが入っていません。
そして、なんでインテークのカムシャフトがズレたのか?タイミングベルトは切れていないし、緩くもないのでプーリーをベルトがジャンプしていない。(駒飛びはしていない)

そこで、インテークのカムシャフトを外してみたら、摺動部が焼き付いていました。
DSC_1741.jpg
DSC_1742.jpg
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更に、カムシャフトが焼き付いた事によって、カムシャフト・プーリーとカムシャフトのピンが折れていました。
DSC_1881.jpg

因みに正常なカムシャフトのピンは
DSC_1882.jpg

お客様に故障診断の内容を伝えて、オイルメンテナンスをどうしていたか確認しましたら、購入後一度もオイル交換を行っていないし、教習所で習ったであろう「始業点検」(運行前点検)も行っていないのでエンジンオイルの量を確認した事が無いとの事でした。
このNA6CEは走行距離も20万キロ?程走っていて、見たところ前のオーナーが色々といじって(改造していて)いますので、経歴がわかりませんが、きっとオイル消費が酷いエンジンで、オイルが減っているままで走行したため焼き付いたと想像しました。
エンジンオーバーホールか載せ変えが必票な旨をお伝えいたしましたが、費用が捻出できないとの事で、一旦車両をお引き渡しする事となりました。
ユーノスターとしては少しでも動かせないと邪魔になるので、ヘッドのシャーナル部をやすりで慣らして中古のカムシャフトを組み込み、エンジンオイルを入れて始動できるようにしました。
しかし、シリンダー内も傷だらけでしょうね。
また積載車にて、ご自宅?へ移動して行きました。

まさか、オーナー様はこのまま何処かの修理工場で適当に組み込んでもらって、道路を走らせていないだろうと思いますが、オーナー様もしこのブログを読んでいたら、カムシャフトは私の善意で中古品をお貸ししているし、道路を走れたとしても、またエンジンが焼き付く事を理解してくださいね。

旧車に乗るという事を簡単に考えるか方もいる事を思いさせられた事例でした。
基本のメンテナンス(オイル量や冷却水量等など・・・)はオーナー様の必須項目ですから。
私もそのような場合を想定して、基本点検や問診をしっかりしないといけないと思いました。

posted by eunoster at 18:23| 日記