妻に菜種梅雨だねーと言ったら、3月なのに梅雨なわけないだろ!と、言葉を知らないのか馬鹿にされました(笑)
今週も整備事例を書きます。
少し前にNBを車検整備でお預かりいたしましたが、お預かりする当日にメーター内のエンジン警告灯が点灯していて、ご自身で色々調べたり部品を交換したが、時々点灯すると・・・

点灯した時は、バッテリーのターミナルを外して、警告灯を消灯させていたとの事でした。
蛇足ですが、エンジンマネジメントのコンピューターは、使用過程によるエンジン本体や補器類の劣化や消耗摩耗、スラッジの堆積等に対応するために「学習」をしています。
一般的に「学習」という言い方をしていますが、要するにエンジン本体などの劣化等に対して、目標値の設定されたアイドリング回転数や空燃比制御(吸入した空気と燃料の比率)、点火時期に、調整して不調にならないようにしているのです。
その状態なのに、バッテリーのターミナルを外してしまうと、「学習」がリセットされてしまい、エンジン始動後暫くは不調にある事が有ります。
車検の継続検査では、メーター内のワーニングランプが点灯していると、検査に不合格となる旨をご説明して、追加作業となりました。
エンジンのワーニングランプに限らず、ABS付きの車両はABSワーニングランプや、エアバック付き車もエアバック・ワーニングランプの点灯は検査に合格しません。
今後は検査時にも確認するようです。

今回の事例は、ワーニングランプが点灯してもエンジン不調などの症状は無いようなので、散発的トラブルのようですし、現象が出ていないと難儀するかな?と思いつつ、まずはダイアグノーシス(自己診断装置)を確認するために、診断機を繋げます。
ロードスターもNA時代の車両はダイオードをターミナル繋いで、点滅回数でどの系統に不具合が有るのか確認していましたが、NB3はOBD2が付いているので、診断機が使用できます。
またまた話は脱線しますが、去年国の持続化補助金を申請したら通りましてNCやNDでは必需品なこともあり、今後車検整備で必須の診断機(HDM9000)を導入していたのです。

車両のOBD2に繋いでみると・・・


フォルトコードを記憶していました。

カムシャフトタイミング:過剰遅角(バンク1)
と出ました。
ここで、診断機に使い慣れていない人や、メカに詳しくない方は、いきなりカムシャフトタイミング・センサーを交換してしますのでしょうが、診断結果や構造を考えるとセンサーの不具合では無いと考えます。
NB3のBPエンジンはインテーク・カムシャフトに可変バルタイが採用されているので、可変バルタイの不具合を疑いました。
念のため、カムカバーを外してバルブタイミングを確認しましたがずれていないので、アクチュエーターが内部不具合で時々作業不良になるのか?と仮定しました。
部品代金が恐ろしくお高いのと、散発的トラブルということで、お客様と相談の上、今回は車検に通ればのちのち様子を見て、交換するという事になりました。
取り敢えずは、運輸支局での検査時には警告灯は点灯しなかったので、お客様都合により原因解決は保留となりました。